本記事は、米国食品医薬品局(FDA)が2019年4月17日に発表した下記リリースをもとに作成しています。医療行為を代替するものではありませんので、糖尿病などの治療を受けている方は必ず専門家にご相談ください。
参考リンク:
FDA Brief: FDA allows low-calorie sweetener allulose to be excluded from total and added sugars counts (2019/4/17)
目次
1. アルロース(D-Allulose)とは?
- 自然界にわずかしか存在しない“希少糖”
- 小麦や一部の果物に含まれ、砂糖の約70%ほどの甘さを持つ。
- カロリーは0.4 kcal/g以下
- ほぼゼロに近く、血糖値やインスリンへの影響がごく少ないとされる。
- ダイエット・糖尿病向け甘味料として注目
- 低糖質・低カロリー商品での活用が広がっている。
2. FDAの新ガイダンス内容
2-1. 総糖・追加糖カウントからの除外を許可
- 従来のルール
- 食品の栄養表示で「総糖(Total Sugars)」と「追加糖(Added Sugars)」に含まれる甘味料は、一律で糖質量としてカウント。
- 今回の変更
- アルロースは血糖値への影響やカロリーが極めて低いため、「総糖」「追加糖」のカウントから除外が許可された。
- FDAは、消費者が誤解しないために、成分リスト(Ingredients)にはアルロースを明示するよう求めている。
2-2. カロリー計算の変更
- 通常の糖:4 kcal/gで計算。
- アルロース:0.4 kcal/gとして計算可能。
- 食品表示でより正確な低カロリー表示が実現できるように。
3. この変更が与える影響
3-1. 消費者のメリット
- 正確なカロリー&糖質情報
- アルロースを含む食品でも、過剰に「糖分が多い」と誤解されるリスクが低減。
- 低糖・低カロリー食品の選択肢拡大
- 血糖値やダイエットを意識する人にとって、甘味料のバリエーションが増えることが期待される。
- 「虫歯リスク」も少ない
- アルロースは虫歯の原因菌を活発にしない特徴があると報告される。
3-2. 食品業界のメリット
- 「糖分ゼロ」や「低糖質」表示の製品開発が促進
- アルロースを使うことで、甘さは保ちつつ表示上の“糖質”を抑えられる。
- 新商品開発の可能性
- 糖尿病患者・ダイエット中の消費者向けマーケットが拡大。
- 企業間の競争力を高める新たな要素となる。
4. 注意点と今後の展望
4-1. 成分表記は必須
- 除外されるのは“糖分カウント”のみ
- 成分リスト(Ingredients)への表記義務は残る。
- 消費者にとっては“アルロース”の存在を把握する必要
- 血糖値への影響が少ないとはいえ、体質によっては消化不良などが起こる場合も考えられる。
4-2. FDAのさらなるガイダンス
- 蜂蜜やメープルシロップなど他の甘味料に関する表示ルールも拡充予定。
- 食品表示が進化することで、健康志向の食生活がさらにサポートされる可能性がある。
5. FAQ(よくある質問)
Q1. なぜアルロースだけが除外されたの?
A: アルロースは血糖値への影響やカロリーが通常の糖と大きく異なるため、“糖分”としてカウントすると実態と乖離すると判断されました。
Q2. アルロースは本当に安全なの?
A: FDAはGRAS(Generally Recognized As Safe)として認めており、適量摂取であれば安全性に大きな問題はないとされています。ただし、過剰摂取すると腸内不快感を起こす可能性があるため、少量から試すのがおすすめです。
Q3. 糖尿病の人でも安心して使えますか?
A: 比較的安全とされていますが、医師や管理栄養士の指導のもとで使用することが望ましいです。血糖コントロールには個人差があります。
Q4. 市販の食品でアルロースが使われているものは?
A: ダイエット飲料、低糖質スイーツ、糖尿病向け食品などが代表例です。成分表記に「D-Allulose」や「アルロース」と記載されている場合があります。
Q5. “糖分ゼロ”と表示されていても実は甘い…これは大丈夫?
A: 今回の変更によって、アルロースは糖分としてカウントされません。つまり、糖質ゼロと表示しながら甘さを保つ食品が増える可能性があります。ただ
今後の見通し
- FDAによるアルロース除外の方針は、健康志向の食品市場に大きく影響を与えるとみられます。
- 低糖質・低カロリー製品の拡充が進むことで、消費者は**「甘みを楽しみながら糖質コントロール」**しやすくなるでしょう。
- 一方で、成分表記の確認や適量摂取など、消費者側のリテラシーも求められます。今後、FDAから続報が出る可能性もあるため、引き続き動向に注目です。
免責事項
本記事はFDAのリリースをもとに情報を整理したもので、医療アドバイスではありません。個別の健康状態や食事療法については、必ず医師・管理栄養士などの専門家にご相談ください。